ドライアイについて
ドライアイ人口
コンタクトレンズ人口の増加と共によく耳にするようになった「ドライアイ(涙液減少症)」。
現在、ドライアイの患者さんは2200万人、オフィスワーカーの約3人に一人がドライアイの症状を訴えていると言われています。
ドライアイとは?
人間の黒目は、常に涙で覆われています。そのことにより私たちの黒目は保護され、且つ栄養を補給しています。
涙は、痛い時や悲しい時、嬉しい時に出てきますが、それ以外にも「粘液層」、「水層」、「油層」の3層構造で黒目の表面を保護したり、栄養補給をしたりといった大切な役割も担っています。
この涙が何らかの理由により減り、そのことが原因で黒目の表面が乾いて、様々な症状が引き起こされる訳です。その状態をドライアイと言います。
現在、ドライアイと言う言葉は広い範囲で使用されています。目にキズなどの障害がなくて、目が乾きやすいという程度の軽度の人もいれば、涙の蒸発を防ぐための油層の形成が悪く、涙がすぐ蒸発してしまうような人や涙の量が減少し、乾性角膜炎のような症状を発症するひともいますが、最近では全てひとくくりにしてドライアイと総称しているようです。
ドライアイの症状
ドライアイの症状は、個人差がありますが、それぞれの生活環境によって異なりますが、おおよそ以下のような症状が伴います。
●目がショボショボする
●文字や景色がぼやける
●目が痒い
●目やにが出る
●目が痛い
●目が熱い
●目が疲れる
●コンタクトがかすんで見える
●異物感を強く感じる
●その他
ドライアイの原因は?
涙液の分泌は一般的に加齢とともに低下していくと言われていますので、年齢と共にドライの傾向が高まることはある意味では自然なことと言えます。しかし現代社会では冷暖房などの空調設備の影響やパソコン、携帯、スマホ、ゲーム等OA機器の長時間使用が大きな要因になっています。
またそれ以外にもシェ―グレン症候群のような免疫疾患の方もいますが、ここではコンタクトレンズを使用している人に限ってお話をいたします。
コンタクトレンズ装用中に感じる乾燥感の原因は?
コンタクトレンズ愛用者は殆どの人が朝から夜まで、仕事中もオフの時もコンタクトレンズを装用しています。しかし仕事中とオフの時とでは、大きく環境要因が異なります。オフの時にはさほど気にならない乾燥感が「仕事中にはとても気になる」と言う人が多いはずです。その理由は環境要因にあります。
冷暖房などの空調
夏場や冬場の空調は快適な室温を維持するために必要不可欠ですが、コンタクトレンズを快適に装用する上ではとてもやっかいな問題です。特に空調の風をまともに受けてしまうような場所で事務仕事を担当しているとしたら、コンタクトレンズの愛用者にとっては厳しい環境と言わざるを得ません。
パソコン、携帯、スマホ、ゲームなどのOA機器の使い過ぎ
現代社会ではパソコンやスマホなどOA機器の存在がなくては、仕事も立ちゆかなくなりますし、それらのOA機器を使いこなせるということが働く際の一つの条件にすらなっている時代です。
経理関係や営業事務、イラストレーターなどの仕事をされている人の中には、1日中パソコン操作をしていると言う人も珍しくないと思います。また電車に乗っていても、周囲を見渡せば、多くの人がスマホや携帯を操作している光景を目の当たりにします。
人間の目は細かい物を見たり、スマホ等の画面を集中して見続けるとまばたきの回数が極端に減少すると言われています。
ドライアイの対策とは?
環境要因を簡単に変えることはなかなか困難です。ではコンタクトレンズを装用しながらドライアイの症状を軽減させるために何ができるのでしょうか?
パソコン、スマホ等の作業時間の軽減
「パソコン、スマホ等の長時間作業を減らす」とは言っても、仕事をしている以上パソコンやスマホは切り離すことはできませんので、適度な休憩と適度なまばたきを心掛けることです。まばたきは軽いまばたきではなく、しっかりとした深いまばたきを心掛けましょう。
目を休ませる
暖かいタオルなどを目にあて、目を休ませましょう。
加湿器の利用
加湿器などで乾燥している環境要因を改善しましょう。
運転中にできること
車で空調の風が直接当たらぬよう送風口を調整したり、窓からの風が直接的に目に当たらないように気をつけましょう。
装着液や目薬の活用
必要に応じて装着液や目薬を併用しましょう。
メガネとの併用
メガネとの併用を心掛けましょう(コンタクトレンズの装用を必要に応じて控える)
使用中のコンタクトレンズの見直し
場合によっては今お使い中のコンタクトレンズの種類を変えてみましょう。特にFDA分類グループⅣ該当するレンズをお使いの方はグループⅠのレンズ等をお試しになるのもいいかもしれませんね。
※FDA分類の説明はこちらからどうぞ ⇒ FDA分類
眼科の受診
症状の程度によっては眼科を受診し、医師の指示を仰ぎましょう。