ハードコンタクトレンズを初めて見たり触ったりした人は、その大きさと固さに戸惑われるかもしれませんね。
ハードコンタクトレンズは以前は酸素を通さないレンズだった
ハードコンタクトレンズが視力補正用具として使用できるようになったのは1930年代後半と言われていますが、その当時のコンタクトレンズはレンズ自体は酸素を通さない素材で作られていました。
そのため、そのような素材でできたコンタクトレンズを目の上にのせたとしても角膜にしっかりと酸素が供給できるようにする必要がありました。
ハードコンタクトレンズは意図的に角膜上を動く様に作られている
日本人の成人の角膜の大きさは平均で縦11mm、横12mm程度と言われていますので、まずはそれよりも少し小さいサイズにする必要がありました。
そして小さくするだけではなく、まばたきした時に角膜の上を動き廻るようにしたのです。

そうすることにより角膜上には常にコンタクトレンズののっていない部分が存在し、且つまばたきの度にいつも新鮮で、酸素を沢山含んだ涙液を循環させるようにしたわけです。
レンズが角膜上をまばたきのたびに動く=その動きが異物感です。つまりハードコンタクトレンズの異物感は角膜に酸素を供給するために必要なレンズの動きから生まれた副産物なんです。
一方ソフトコンタクトは、レンズ自体が水分を含んでいる含水性のレンズです。その水分から酸素を供給することができるのでハードコンタクトのように小さくして、動き回る必要はないわけです。
ハードコンタクトレンズの異物感は消えない
この異物感は、個人差がありますが、概ね2~3週間程度で慣れてくる人が多いようです。
ただ常にまばたきの度に動いている以上、異物感が消えることはありません。何十年と装用しているベテランのハードコンタクト愛用者の方でも異物感は感じています。
例えば「腕時計」や「ネックレス」なども付けているかいないかと言われれば「付けている感覚はある」はずです。しかし普段から付けているから「気にならない」状態になっているということです。
慣れによって異物感と言うのは「気にならなくなる」という方感覚は、恐らく何らかの形で多くの方が経験していることなんだろうと思ういます。
ある程度、異物感が気にならなくなるまで使い続けることができるか否かがポイントになってきます。