コンタクトレンズはメガネとは異なりレンズが一体化していませんので、右用のレンズと左用のレンズがそれぞれ別のレンズとして存在しています。

左右のデータが同じレンズの人は左右どちらに装用しても影響はありませんが、データの異なる人も沢山います。そうすると気を付けていても何かの拍子に左右のレンズが入れ替わるというのはよくありがちなことで、経験したことのある人もたくさんいるのではないでしょうか?
BC(レンズの曲り具合)や度数に差がある人は入れ間違えた時に違和感を強く感じるので比較的すぐ入れ間違いを認識する人が多いのですが、左右で度数が1段階や2段階程度だと個人差がありますが、入れ間違えていることに気付かない人もいます。
そのためなのでしょうね。折に触れてこのような問い合わせを受けます。
「コンタクトレンズについて右と左をわかるようにできないですか?」
ソフトコンタクトの場合
ソフトコンタクトの場合、裏表を確認できるよう、マーキングのあるレンズはありますが、左右を区別するためのマーキングは通常ありません。
ハードコンタクトの場合
昔のハードコンタクトはとても丈夫な素材だったので、希望があればメーカーの方で「R」というマークをレンズに刻印して左右の区別がつくようにしていました。また塗料でマーキングを付けるようなこともしていました。

この丈夫な素材、1940年代に開発されたポリメチルメタクリレート(PMMA)と言う素材です。これをきっかけにハードコンタクトレンズの普及が始まりましたが、普及するにつれて様々なトラブルが出てきました。それが素材そのものが角膜の代謝に必要な酸素を透過しないということだったわけです。
その様な経緯もあり、酸素を通す素材、酸素透過性ハードコンタクト(O2レンズ)の時代を迎えたわけです。
しかし酸素を透過させるレンズにはなったものの、その分強度的にどうしても劣ってしまうため、そのようなマーキングを施すことが困難になりました。
対応が可能なメーカー
現在、そのような刻印可能なメーカーはオーダーメイド専用のレンズを取り扱っているサンコンタクトと純国産メーカーのシードくらいでしょうか。
シードに関してはAS-LUNAと言う酸素透過性レンズがありますが、そのレンズのみ「左右の見分け」や「個人のネームとしてオリジナルの隠しマーク」を刻印することが可能です。
その場合追加料金が別途掛かります。また4日前後の日数を要します。
もし希望があれば、お問合せ下さい。
お問い合わせは03-3499-4771まで
今は既になくなりましたが、旧ニチコンの「うるるUV」と言うレンズが、左右の区別がしやすいように左右の色を区別して販売をしていましたが、すでに廃版レンズとなっています。
どうしてもカラーによって区別できるようしたいということで「左右で敢えて異なる種類のレンズにして左右の区別をする」のもひとつの方法です。

また中には、左右のレンズのデータが極めて近い人であれば、検査の時点で敢えて同じデータに揃えると言う人もいます。
一番いいのは「右から入れて右からはずす」など習慣をつけて、左右を間違わないようにするということですね。
